独身の老後の備えは生活費だけでは不安はなくならない
老後は、いつもの生活の延長だけでなく、新たに介護という生活が加わることがあるものです。
また、独身(おひとりさま)の老後というのは、支えは自分だけとなりますので、より厚みのある安心を備えておく必要があるでしょう。
老後と重なる介護生活
老後の生活費のために備えについては計画をされている方も多いでしょう。
では、介護費用の備えについては考えていますか?
だれにでも介護が必要になる可能性はあるわけですから、介護費用を備える必要があるのでしょう。
また、介護が必要になる平均的な年齢は、老後をされる期間と重なっています。
介護保険の受給者の統計を見ると、介護サービスを利用する人は75歳から増えてますから老後真っ只中!
参考:厚生労働省/令和元年度 介護給付費等実態統計の概況/受給者の状況
収入は年金だけという方も多いでしょうから、介護費用を備えていなければ年金または生活費の備えから支出することになるでしょう。
介護生活は、介護していなかった生活から介護生活に移行するのでなく、それまでの暮らしに介護生活がプラスされるものです。
介護が必要になったからといって、食費や住居費、光熱費の支出がなくなるわけではありません。
むしろ増える場合もあります。
老後のために、生活費だけでなく介護費用も備えることで、老後はさらに安心できるのではないでしょうか。
介護が他人ごとにならなくなってきた証
介護が必要になるかもしれないと思っていても、どこか他人事になっていませんか?
今はそうかもしれませんが、これから老後を迎える世代にとっては、介護はより身近なものになってきています。
介護が必要になる主な原因は老化です。
血管が老化することで生じる病気が原因で介護が必要になったり、老化によって足腰が悪くなったり転ぶことで介護が必要になります。
人はだれもが老化しますので、介護が必要になる可能性は必ずあるということです。
また、人生100年時代といわれ、80歳、90歳、100歳が当たり前になってきています。
長生きすれば老化するのは自然なことですから、介護が必要になる可能性は高くなっているということです。
介護に特化した民間保険が登場している理由の1つは、このように長生きする人が増えて介護が必要になる人が多くなってきたからではないでしょうか。
介護は隠れてるだけでよくあること
介護を身近で経験しないと、介護の存在を忘れがちかもしれません。
介護をしていても、わざわざ介護をしてることをオープンにしませんから、どの家庭で介護をされているのか、普通に暮らしていると気づかないでしょう。
子供が家族を介護をしているヤングケアラーの問題があるように、隠れているだけで意外と介護をしている家庭が多いと思います。
スーパーで買い物をしていると、介護をされていることに気づくこともあります。
大人のオムツを買われている方だったり、高齢の親の買い物に付き添って来られている息子さんや娘さんがいると、ふと視野に入ってきます。
私は30代で介護をしていました。
私のまわりの同世代では、介護している人はいないだろと思っていたのですが、友達の友達で介護をしている人が2人もいたのです。
知らないだけで介護をしている人は、身近にいるものだと思いました。
もし、介護は稀なことと思っているなら、世間とのズレがあるかもしれません。
老後の不安を軽くする
こんなに介護が身近なら、介護費用を備えないわけにはいかないでしょう。
独身ならなお更、自分を支えるために必要ではないでしょうか。
もし介護費用を備えていない状態で介護が必要になったら、思うような介護を受けられないことがあります。
介護保険を使えば自己負担金を支払いますし、保険外のサービスを利用すれば全額負担です。
そのような負担金を支払えない状況なら、介護サービスの利用を控えることを選択するのではないでしょうか。
そのようなことにならないためには、老後に訪れるかもしれない介護のために資金を備えておくことです。
老後の生活費とともに介護費用の備えは今後必要なことです。